🪄 はじめに──古い魔術の歌が聞こえる夜に
「もし、魔法が“歌”から生まれたのだとしたら?」
そんなことを思う夜があります。
静かな海辺に立つと、潮騒がまるで詠唱のように響き、
草の香りが混じり合い、ふいに“古い魔法”が息づいているように感じるのです。
今日はその感覚にぴったりのテーマ──
九つの薬草の呪文(Nine Herbs Charm) についてお話しします。
これは作中のフィクションではなく、
千年前のアングロサクソン人が実際に使っていた治癒魔術。
そしてこの呪文には、
ハリーポッター世界の“魔法の根っこ”につながる秘密が隠れています。
🔮 九つの薬草の呪文とは?──千年前の本物の魔術詩
九つの薬草の呪文(Nine Herbs Charm)は、
10世紀の手写本「Lacnunga(ラクリンガム)」に記録されている実在の魔術詩です。
この呪文の目的は以下の4つ。
- 病気を祓う
- 呪いを祓う
- 蛇や毒虫の傷を癒す
- 霊的汚れの浄化
まさに
「治癒魔法」「防衛魔法」「薬草学」 の原点。
当時の人々は“言葉の力”と“大地の薬草”をまとわせ、
世界の影から身を守ろうとしていたのです。
海の魔女として書きますが、
この呪文には古代の魔女たちの息遣いがそのまま残っていて、
読み進めるだけで胸がざわつくほどの力を感じます。
🌿 九つの薬草の意味──呪文に選ばれた植物たち
千年前、人々は薬草に「精霊が宿る」と信じていました。
九つの薬草は特別に“力の強い植物”として扱われています。
ひとつずつ、魔術的視点で解説します。
① ムギワラギク(Mugwort)──悪霊を祓う“道を開く草”
ムギワラギクは“魔女の護符”として知られています。
- 不安を祓う
- 悪霊を追い払う
- 視界を開く
ハリーポッターでいえば「闇の魔術に対する防衛術」のような存在。
心の弱りを取り除く“心の薬”でもありました。
② プラント(Plantain)──呪いや毒を吸い取る守護者
プラントは「蛇に噛まれたときの薬」として用いられていました。
- 毒
- 悪性魔法
- 傷口の炎症
を吸い取ると信じられており、
防御系魔法のような働きを持ちます。
③ ヤナギ(水辺の葉)──“血と水”の浄化の象徴
ヤナギは水との関係が深く、
- 感情の浄化
- 水の魔法
- 流れを整える
という象徴を持ちます。
ハリーポッターでいえば
湖・涙・癒しのモチーフと響き合う植物です。
④ ネトル(イラクサ)──魔法薬学でおなじみの薬草
ハリーポッター読者には馴染み深いネトル。
スネイプ先生の授業にも出てきます。
アングロサクソンでは、
- 血行を促す
- 血と毒を浄化
- 身体を温める
とされ、「生命力の草」と呼ばれました。
⑤ カモミール──心を癒し、眠りを守る草
現代でも飲まれていますが、
古代では“癒しの詠唱”とセットで使う魔法草でした。
- 心を鎮める
- 眠りを守る
- 精神を調え邪気を祓う
ポムフリー先生の病棟にも似合いそうですね。
⑥ クラブアップル──呪いの浄化
リンゴにはもともと「魔除け」の意味があり、
クラブアップルは“呪いを洗い流す木”と信じられました。
- 呪いを切る
- 形のない悪意を祓う
- 食べ物の魔除け
ハリーポッター世界での「アンチ・カース」の原型です。
⑦ チックウィード──毒素を体外へ追い出す草
毒を吸い取り、浄化する草。
- 悪い気
- 体内の“呪い”
- 精神の濁り
を吐き出す力があるとされました。
⑧ フェンネル──目と精神を開く草
フェンネルには“明瞭さ”の象徴があります。
- 第三の目
- 精神の集中
- 判断力
組み分け帽子にも似た働きを感じますね。
⑨ ワイルドガーリック(野生ニンニク)──邪悪を追い払う力
吸血鬼避けとしての伝説もここから。
“悪いもの”を寄せ付けない、強烈な守護植物です。
🔥 なぜ“9”なのか?──アングロサクソン魔術の聖数
アングロサクソンの世界で“9”は特別な数字でした。
- 完成
- 循環
- 境界を越える
- 次元と次元をつなぐ
まさに魔術的な数字。
ホグワーツの「9と3/4番線」も、
この“境界を開く数字”の伝統に重なります。
🌌 呪文構造──言葉の魔力と大地の魔力
九つの薬草の呪文は、単なる詠唱ではありません。
🪄 ① “詩”として唱える(音の魔術)
🌿 ② 薬草のエネルギーを呼ぶ(自然魔術)
🔥 ③ 病と呪いを追い払う(戦いの魔術)
つまり、
音と言葉 × 草の精霊 × 意志
という三層構造。
現代の呪文(ラテン語)よりも、もっと古く、もっと土着的な魔法です。
🪐 ハリーポッター世界とのつながり
ここまで古代魔術の話をしてきましたが、
九つの薬草の呪文はハリーポッター作品の“根幹”に多くの影響を残しています。
① ポーション(薬草学)への影響
- 刻む
- 柔らかく揉む
- すり潰す
- 茹でる
- 詠唱を添える
この手順は九つの薬草の呪文と全く同じ構造。
スネイプ先生の教える薬草学は、
実はアングロサクソン魔術の継承だったのかもしれません。
② 防衛術と治癒魔法の“詠唱”
“言葉の力で呪いを切る”
これは九つの薬草の呪文そのままです。
- エクスペリアームス
- ブレインデッド呪文
- エピスキー
- レナーヴェイト
多くの呪文は
音の力=言霊
という古代魔術に基づいています。
③ 境界を開く“9”の数字
なぜホグワーツ行きの列車は
9と3/4番線
なのでしょう?
それは
- 境界
- 秘密
- 異界
- 円環
を象徴する数字だから。
アングロサクソン魔術の伝統そのままです。
🌙 終章:古代の魔術は、現代の魔法へつながっている
九つの薬草の呪文は、
ただの歴史資料ではありません。
魔法界の根源にある“大地と音の魔術”そのもの。
ハリーポッターの魔法体系は、
ケルト文化だけでは説明できません。
そこには
- アングロサクソン魔術
- アイルランド神話
- 異界(アザーサイド)の文化
が複雑に混ざり合っています。
海の魔女として言うなら──
「呪文は、自然と心が出会ったとき、初めて魔法になる。」
九つの薬草の呪文は、
その“最初の形”を教えてくれる、尊い魔術の記録です。



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